Vol.259 2017年鈴鹿8耐

惨敗した2017鈴鹿8耐。

やられてしまった感よりも、“やってしまった感”の今年の8耐。

レースウイークを通して俺達の戦いは順調に進んでいた。やれる事はすべてやり、本番に向けてのシミュレーションも出来た・・・筈だった。

順調に進んでいる時こそ落とし穴がある事を過去の経験から知っているが、落とし穴はどこにあるか分からないから落とし穴なんで、穴の場所を知っていれば何でも無い。

俺達のバイクは戦闘力もあったし8時間を戦い抜くだけの耐久性も備えていたが、ヤッパリ若かった。

俺達が2連覇を果たした時のバイクは成熟していたから、トラブルが出る可能性が極めて少なかった。今のY車のように。

バイクに加え、ライダーも若かった?今年の二人、特にジャックには気を付けていたんだ。アイツのレースを見ているから。実際ジャックがウイークにやってくれた、幸い?木曜日のフリー走行だったので影響は最小限で済んだが、バイクは大破し、ジャックは20回以上ソーリーを繰り返していた。俺は「プラクティスで良かった。レースだったら終わっていたよ」と言ってやった。

そのジャック。土曜日のトップ10トライアルのライダー選定でひと揉めあった。俺は事前に、計時予選でニュータイヤを履くのは巧とジャック、タカは中古。そう伝えた後に、タカは一度もニュータイヤを履かないのは可哀想だからトップ10トライアルをタカに譲ってと言っておいたが、実際その場になって駄々をコネはじめた(苦笑)。

まあ、まともに英語も話せない俺が、あの向こうっ気の強い外人を上手く説得出来る訳がないか?(苦笑)

そのジャックもタカのアタックを見て興奮していた。まったくあの若いオージーはオン・オフがはっきりしている。自分の言う事を云うだけ言ったらもう終わり。こっちが気を遣うだけ損した(笑)

決勝では巧が抜群のスタートダッシュを見せ、レースを引っ張った。途中、西コースで若干雨が落ちてきたがアクセルを緩める事無くプッシュ、中須賀は前に出ると自分のペースに持ち込みたいとタイムをコントロールするが、それを巧は許さない。俺はモニターを見ながら何時になく熱くなっている中須賀を見てワクワクしていた。そしてピットイン。何と俺達のピットインのタイミングにSCが入ったんだ。ピット作業を終えてジャックが出て行ったが当然ピットエンドはレッドシグナル。どうしようもない。結果的には同じ事だったが、あのタイミングはドキドキしたな。

2スティント目のジャックは予想通りの走りをみせてくれた。リスクを最小限に抑えながら攻める走りに俺は(ダテにMoto-GPに抜擢されてないな)と思ったな。

そして運命の3スティント。転倒ノーマークだったタカがやってしまった。タカは練習の時に一度転倒があり、俺に耐久レースのライダーの心得を説明されていたし、ジャックと違い言葉の壁も無く、俺の言っている事は完璧に理解していたはず・・・だが。8耐は難しい。

俺達の転倒により一気に楽になったY陣営。特にその後の中須賀は“いつもの”走りに戻ってしまい、この時点で俺達の王座奪還は遥か遠いところへ行ってしまった。

それでも巧を筆頭にひとつでも順位を上げる強い意志が走りに表れていたが・・・今年はどこまでも俺達には“ツキ”がなかった。度重なる予定外のピット作業は、俺達を表彰台に上がる事すら阻んでいるように思えた。

今年の俺達の8耐スローガン“王座奪還”は果たせなかった。

少し若さが出てしまったバイクだが、それを走らせる俺達は来年又ひとつ年を取る(苦笑)。

 

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